昭和30年頃までは、この季節になると浪速の町の あちこちのうどん屋さんの店先では「小田巻むし」が 入った大きなセイロが湯気をシュンシュンと上げていたそうです。「小田巻むし」は簡単に言うとうどんの入った茶碗むしです。 蒸し上がるのに15分程かかりますが、何かとせわしない時代に 吹き寄せの点心をあてに一杯やりながら、 ゆっくりと小田巻むしを待つのもおつなものでは?
四季折々の粋を凝らした「鍋料理・そば・点心」は大阪の食文化を代表する道頓堀今井の真骨頂です。
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ふんわりとした海老しんじょうに鴨ロース、 焼いたお餅、紅白の水引、そして七草のひとつ うぐいす菜に松葉柚子。 器の中で七福神がダンスをしている様なおそばです。 思わず「とぉしの はぁじめの…」と歌い出してしまいそう!!
二月といえば一年で一番寒い季節ですよね。 「みぞれあん」も寒そうな響きですよね。 でもとってもあったかいんです。 あっさりと焼上げた穴子をお出汁でサッと炊きます。 すりおろした蕪が淡くあんになったお出汁の上で、 ぼたん雪のように花咲きます。 暖まりそうでしょ? 焼穴子と蕪の相性もバッチリです。
菜の花独特の食感とほろ苦さを、ほど良く茹がき上げたお蕎麦と一緒にきざみ椎茸と特製胡麻だれでしっかり和えてお召し上がりいただきます。 冷たいお蕎麦には少し肌寒いですが、すぐそこまで来ている春を先取りしてみませんか?
この季節ならではのパリッとした筍の食感と、程よく残る春のえぐ味を、お蕎麦の上にタップリと盛り付けて、たたいた若布と今井のお出しで淡あんに仕立てました。木の芽と共に春まっ盛りの山と海の味と香りをお楽しみくださいませ。
かつて浪花の人々は、5月を「魚島」と呼びました。 普段は高級なお鯛さんが、この時期だけは産卵の為に赤い島のように押し寄せてきて、 庶民も楽しめるのがこの季節だったそうです。 鯛本来の旨味を逃がさない様に厚めの切り身にし、熱々の今井の出汁をたっぷりとかけた、 鯛茶風のおそばです。
柳の葉って裏が白いのをご存知でしたか?今井の玄関に永年たっている柳が、気持良さそうに雨にうたれてつやつや光る季節です。 当店のシンボルでもあるこの柳の葉をイメージしたお蕎麦です。茶そばと更科そばを合わせ打ち(二枚がさね)にしました。 目にも涼しげな青竹の器でお楽しみ下さい。
浪速の七月と言えば、何と言っても天神祭に祭り鱧。細目に打ったお蕎麦に、昆布とかつおがしっかり効いた冷たい出汁をたっぷりとかけて、 薄く薄く骨切りした活け鱧のおとし(湯引き)を盛りつけました。梅肉と一緒に、さっぱりとした清涼感をお楽しみいただける一品です。
1kgの蕎麦粉に200枚もの大葉を打ち込みました。 ひと口ごとに広がる大葉の香りと手打ちならではの 食感をお楽しみください。
うすく塩をして、酒蒸しにした甘鯛を、松茸と一緒に さっとお出汁で炊いて蕎麦にかけます。 甘鯛の旨味と松茸の香りを存分に味わっていただける 一品です。まだまだ残暑の厳しい季節ですが、ひと足先に 秋を感じてみませんか?
あまからい味噌で味付けした、鴨が入った 栗麩万頭をのせたお蕎麦に、栗と銀杏を ちりばめて淡いあんかけにしました。 お椀のふたを開けると、深まりゆく秋の夜の 満月が、旬の味覚に埋もれています。
昭和30年頃までは、この季節になると浪速の町の あちこちのうどん屋さんの店先では「小田巻むし」が 入った大きなセイロが湯気をシュンシュンと上げていたそうです。「小田巻むし」は簡単に言うとうどんの入った茶碗むしです。 蒸し上がるのに15分程かかりますが、何かとせわしない時代に 吹き寄せの点心をあてに一杯やりながら、 ゆっくりと小田巻むしを待つのもおつなものでは?
これは間違いなく大人の味です。 酒蒸しにした甘鯛と輪切りにした柚子を 軽くお出汁で炊き、柚子がしんなりしたら、甘鯛と柚子をお蕎麦の上に盛り付け、 淡く葛をひいたお出汁をかけます。甘鯛の旨味と柚子の酸味と苦味がお出汁の中で溶け合います。 柚子あんそばを食べて「うまい」と思うあなたは「大人」です。